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とある月夜の世迷い事

20210911_1

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甫嶺 史織が入室しました
甫嶺 史織
すっ
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BGMを変更 by 甫嶺 史織
無題100%
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秋山 華が入室しました
 

F市 倉庫街
 
「これがあるせいで俺たちの仕事増えてるとこ無い?」と言ったのはF市の誰だっただろうか。
ともかく、この町の事件の終点は大体いつもここだ。オレンジの街灯の照らされた錆びたコンテナと黒い海と、潮風と血の匂い。
F市と、U市のエージェントにとって仕事終わりというのは大体そんな感じの共通イメージがあるかも知れない。
その夜も概ねそれに合致する夜だった。別件も同時進行しているせいで、UGNの到着が遅れている。
 
二人で倒したジャームは完了を報告する間もなく息絶えていた。
今のところこの場所に人気は無いが、どうも見た目は悪い。
──なにせ、あまり人間と大差無い死体を囲んで突っ立っている構図である。
秋山 華
こんなもんでよいか
甫嶺 史織
ウィ

秋山 華
まあ倒して
連絡して
甫嶺 史織
処理班待ち
秋山 華
遅れるかもごめんって言われた直後くらいかな
甫嶺 史織
おkpy
1レス目こっちでやる?もう打ってる?
秋山 華
じゃあこっちでうっちゃう
甫嶺 史織
おけー
秋山 華
対象が完全に沈黙(死亡)しているのをもう一度確認すると立ち上がり。
「──遅れるって?」
甫嶺 史織
「……うん」通話を終えた端末をポケットにしまい込みながら、へらりと笑って。
秋山 華
「そう。向こうの事件の方がでかいからそうなるかもなとか言ってたけど」
「ワーディングだけ維持しておけばいいよね」無造作に捨て置いた死体に背を向けて腕を元に戻してゆき
甫嶺 史織
「ん。まあ派手なこともしてないし、野良のオーヴァードだって早々集まって来ることはねーだろ」普段通り笑う顔は、どことなく青白い。
「……お疲れ。今回も悪いな」
秋山 華
「なにが」何かの癖のように指の数を数えて顔を上げ
甫嶺 史織
「ん-? ……んー」困ったように笑いながら首を傾げて。
「俺の自己満足だから気にしないでいーよ」
秋山 華
「? そう」
「まぁ後衛は服が汚れないのはいいよね?」そういう話?
甫嶺 史織
「……お前らしいよなあその発想」
「こんなこと言ったって秋山が理解してくれるとはぜーんぜん思わねーんだけどさー」
「汚れ仕事押し付けてごめんな、って。まあそれだけ」
秋山 華
「……いちいち洗剤代せびってもしょうがないじゃん?」どちらにせよ
落ちてたパーカーを拾い上げて羽織り
甫嶺 史織
「そーいうもん? ……まあそういうもんかもな」またへらりと笑って、死体から目を逸らしたままポケットを探る。
秋山 華
「頼んできたのがあんたでも、UGNでも、道行く見知らぬ少女でも同じことするだけだから」
「そんなもん。寒いなここ」
甫嶺 史織
「お前のそういうところは素直にわけわかんねーなーって思うよ」ポケットから探り当てた紙箱を取りだして。
「風がつめてーよな」手慣れた様子で煙草を取り出して火をつける。
甫嶺 史織
☆不良少年──!
秋山 華
不良だ~~~~
秋山 華
「私もあんたのそういうとこ全然意味わかんないけどね」「あんたのじゃないか。あんた達の」
甫嶺 史織
「そ? まーでも秋山はそれでいーんじゃん?」けらけらと笑いながら紫煙を吐き出し、少し噎せて。
秋山 華
「これがよくないと思ったこととかない」「……ないな」改めて、無いわ
「こんなとこで吸ってたらおっさん達にガチャガチャ言われない?」
甫嶺 史織
「やー、なんつーかもう……お前見てると振り切れてて清々しいわ」またけらけらと笑って。
「んー? まあうちの支部はそっちとくらべたらそういうのそんなにうるさくねーし……」
「……つーかほら。怒られてもなんか、バカバカしいじゃん?」
秋山 華
「移籍先間違ってんだよな」お前と私。溜息
「まーね。煙草よりあぶねーって噂のことしてんじゃん?とは」
秋山 華
戦闘って健康に悪いらしいよ
甫嶺 史織
「いーや、お前はぜーったいこっち来るべきじゃなかったね。今より自由になってたら危なくってやってらんねー」
「んー、いやそーじゃなくて……」説明すべきかどうか悩むように口を噤み。
甫嶺 史織
まじー?明日から戦闘止めます
秋山 華
「?」続きを促すように振り返り
秋山 華
煙草は戦闘に比べて直ちに健康に害はないから無害
甫嶺 史織
「……もういう前から何言ってんだコイツ、って顔するお前が見えんだけどさ」
「人を殺してはいけません、なんてさ。今更確認する必要もないくらい当たり前のことじゃん?」へらり、と笑いながら海を眺めて。
「──そんな当たり前を平気で踏み越えながら、今更ちっちゃなルールを守ろうとするの、阿保らしいなって思うわけ。時々だけどさ」
秋山 華
「あー?」「あー」ははっと低く笑い声を漏らして
「気付いちゃった?」
甫嶺 史織
「そりゃお前より頭は良いからさ、俺」
「気が付いてたよ、随分前から。──ただ、気が付くべきじゃないってことも同じくらい理解してる」
「ほら、俺って賢いだろ?」そんなことを嘯きつつ、律儀に携帯灰皿へ吸殻を押し付けて。
秋山 華
「なるほどね」「つまりあんたが気付くようなことは大体みんな気付いてるってことだわ」
「で、気付くべきじゃなかったからみんなで気付かないふりしてる、と。そりゃ阿呆らしいね」
甫嶺 史織
「どーなんだろうな? みんな気が付いてるけど、気が付いてないふりしてるのか」
「或いは本気で気が付いてないのか。……俺はわりとわかんねーんだよなー」
秋山 華
「本気だったらどーする?」ちょっとイヤそうな顔
甫嶺 史織
「……ンー」
「羨ましいなあって思う……かも?」
秋山 華
「冗談でしょ」鼻で笑って
甫嶺 史織
「そ?」
秋山 華
「そっちの方がよっぽど何言ってんだこいつって感じ」
甫嶺 史織
「ははは。まー、頭の中お花畑で羨ましーなーって思うじゃん?」
「でも結局一番偉いのは、……気が付いた上で頑張れるヤツなんだろーけどな」
「当たり前を踏み越えることを、当たり前にしない」
「とっくにおかしくなってる日常を守るために、日常を続けられる──そういう」
2本目の煙草に火をつけながら、目を細めて。水平線を眺める。
秋山 華
「それはそれで」頭の上で指をくるくるさせ
甫嶺 史織
「うん。でも多かれ少なかれ誰でも頭はおかしいもんじゃん?」肩を竦めて笑い。
「ならせめてそーいう方向である方が良いなって思うよ、俺は」
秋山 華
「そう。実際アタマオカシイけど悪くはないんじゃん。私には真似はできないけど」
甫嶺 史織
「人が人を殺すのが当たり前、未成年が喫煙しててもお咎めナシ、そんな世界の方が……まあ」
化け物(オーヴァード)にとっちゃ生きやすいのかもしれないけど、さ」
「……俺が、幸せになってほしかったと思うヒトたちは、そういう世界を喜んでくれるタイプじゃなかったから」
秋山 華
「…………」
「なんで悲しいのかはちゃんと教えてほしかったな、とは」
甫嶺 史織
「うん?」
秋山 華
「独り言」「タバコうまい?」
甫嶺 史織
「ンー、あんまり。でも気を紛らわすのには悪くねーなってカンジ?」
「──化け物になったら、一緒に居られないから、かなあ」
秋山 華
「あんたには聞いてない」ガンガンとコンテナを蹴っては登って煙から逃れ
「チョコレート味にしなよ。そしたら貰えたのに」
甫嶺 史織
「やー、だって秋山はさー、本当に答えを聞きたくない言葉は、独り言だって口にしねーじゃん?」
「バニラ味とかもあるらしいぜ。手に入んねーけど」
秋山 華
「そういうとこ嫌い」見透かされると拗ねたように顔を背けて
「チビだから売ってもらえないの?」
甫嶺 史織
「知ってる」けらけらと笑いながら、コンテナの上に視線を向けて。
「俺くらいの見た目ならフツーは年齢確認とかされんの。お前が異常」
秋山 華
「私は一緒じゃなくても別にいい。戦えて護れるなら」
甫嶺 史織
「人間のルールなんて守るつもりないです、何処でも一人で生きてけます──みたいな顔してるヤツ見てたら、そりゃフツーは不安だろ」
「ついていくこともできないし、守ってやることもできないし」
「……いつかその『護る』ことすら人間にとって邪魔になったら、ただ化け物として殺されるだけだし?」
「そーいう末路のことは、まあ……ハッピーエンドとは呼ばないじゃん?」
秋山 華
「そうかな。そうなったら、それは喜ぶべきだよ」
「私が護る必要が無いほど強いなら、私を踏み越えて立つなら私はそれを称える」
甫嶺 史織
「それならまあ、マシな終わりだけどさ」皮肉気に口の端をつり上げて。
「……弱くて間違った存在のまま、強くて正しいものを殺すのが人間だろ?」
秋山 華
「ならそれをさらに踏み越える」「私は哀れまれるべき敗者にだけはならない」
「首だけになってもその場の全員ぶっちぎってせめて害虫駆除はしていくよ。そうするべきでしょ?」
甫嶺 史織
「無理だろ、って言いたいとこだけどマジでそれをやってのけそうなのがお前だからなー……」半ば呆れた声でそんなことを呟いて。
「まー、とはいえ結局それを続けてたらひとりぼっちにはなるじゃん。お前が恋しがってる誰かはそれが心配だったんじゃねー?」誰のことか知らないけどさ、と苦笑して。
秋山 華
「あ? 恋しがってるわけじゃない」
「今頃気になるなら聞いとけばよかったって話。結局、本人に聞かなきゃ意味ないじゃん」
甫嶺 史織
「……あ、俺、これ指摘しないほうが良い感じ?」
秋山 華
「は?」
甫嶺 史織
「やー……まあ、な?」
「本人に聞かなきゃ意味ないってわかってることを、わざわざ俺に聞いちゃう時点で」
「……よっぽどまた会いたいんだなあとは思うじゃん?」
秋山 華
「なんなの」「タバコ」よこせ
甫嶺 史織
「だーめーですー」
秋山 華
「あ?」
甫嶺 史織
「貴重なんだよ煙草は。やらん」
秋山 華
「ちっ」「だーから、聞いてないっつの」コンテナの上に転がってたボルトを海にぶん投げ
「なんなの?」
甫嶺 史織
「……いや流石にちょっと珍しくて。つい好奇心が勝ったのは悪いとは思ってる」
「秋山にもそういうのあんのな。ウケる」
秋山 華
「 Fuck」「全然笑えない。ちょっと秋の水泳大会してみない? お前ひとりで」
甫嶺 史織
「はいはい。照れ隠しにしちゃ雑すぎるぜ秋山サン」
秋山 華
「沈めるぞマジで」コンテナ上から氷点下の瞳で見下ろし
甫嶺 史織
「お前それ友達に向けていい温度の視線じゃねーぞ」
秋山 華
「はーあ。不良少年の独白になんか付き合うんじゃなかったわ」クソデカ溜息
甫嶺 史織
「はあー? 俺とか品行方正の優等生ですよお前と比べたら」
秋山 華
「私はタバコもクスリもやんねーし。やるっつったら喧嘩くらいのくそケンゼンな部類でしょ」
甫嶺 史織
「命令違反は平気でやるだろうが。よっぽど問題児だっつーの」
秋山 華
「な。どうせ平気で破られるんだから最初から命令とかしなきゃいいのに」
甫嶺 史織
「いやむしろお前は感謝すべきだろ」
秋山 華
「なんでだよ。甫嶺も私がどれだけ断腸の思いでルール破ってるかそろそろわかってよ」
甫嶺 史織
「断腸の思いって意味わかってる? 辞書いる?」
「……や、でも結局いや破られるってわかってて、それでも命令してくれるから命令違反程度で済んでるわけじゃん」
「命令してもらえなかったらUGN超えて全部お前の責任だぜ? ……あ、やっぱいいやこれ。別にそれでもいいとか言い始めそう」
秋山 華
「腸って簡単に千切れるよな。ウインナーみたい」
甫嶺 史織
「怖ッ……俺の半径20m以内に近寄らないで欲しい」
秋山 華
「私の責任になるならその方が楽じゃねって思う時はあるけどな」
「そーでもないことはわかってるから、極力合わせてるじゃん」
「千切るときはウインナーだけど。合理的現場判断に基づき」
甫嶺 史織
「一人で負える責任の量なんて大したことねーからしゃーないな」
秋山 華
「私が始末書書いて被害者一人減るなら激安ってときもあるでしょ」
甫嶺 史織
「そりゃそうだ」けらけらと笑いながら。
「ま、結局これも煙草と同じってことじゃね」
秋山 華
「そーなんじゃん? じゃあお前も不良じゃないわ。おめでとう優等生」
甫嶺 史織
「人殺しの化け物になりたくなけりゃ、定められたルール(UGN)の中で生きるしかねーんだよな、結局」ふ、と肺の中の煙を吐き切って、夜の空気を吸い込む。
「どーもありがとうございまーす」
秋山 華
「クソみたいなまとめ方で最高」
「でそのUGN(ジャッジマン)はいつ来るわけ? あっちの案件燃えてるもしかして?」
甫嶺 史織
「知らねー。下手に連絡したら巻き込まれるし」
秋山 華
「ジャームが寒いっていってるよ甫嶺」
甫嶺 史織
「死体は喋んねーよ」は、と乾いた笑い声。
秋山 華
「人手不足やばいな。どうにかしろよサイボーグ380」「待機ってこの世で3番目くらいに嫌いな言葉」
甫嶺 史織
「ほんと堪え性ねえなお前」
「つーかなんなら先に帰ってもいいけど。死体の見張り程度なら俺一人で十分だし」
「それとも寒がってるジャームくんを温めるために火葬でも試してみるか? ついでに俺達も温まれるぜ」
秋山 華
「死体燃やすとくさいからやだ」
甫嶺 史織
「えっ燃やしたことあんの? 怖……」
秋山 華
「小学生並の返し。サラマンダーと遊んできな」ぺっ
甫嶺 史織
「お前のそれも大差ねーっつーの」
「んで、何? 残んの?」
秋山 華
「甫嶺が死体で人に言えない性癖満たし始めないか心配だから残る」
「帰っても寝るだけだし」
甫嶺 史織
「ワーオ俺の倫理観への手厚い配慮に感謝感激。死んでくれ」
「寝ればいーじゃん。海辺で俺とおしゃべりしてるよりは有意義」
秋山 華
「なにそんなに帰したい? マジでやんの……?」
甫嶺 史織
「お前マジで俺のこと何だと思ってんの??」
「配慮だっつーのはーいーりょ! 一応戦闘だってしてるし疲れてんじゃねーか気ィつかってんの!」
秋山 華
「20m離れとこ……」
「配慮ねぇ……まべつにお前と駄弁ってんのは嫌いじゃないよ」
甫嶺 史織
「こっちのセリフだっつーの戦闘狂ドラゴン」
「……え、何? 熱でもあんの?」心底意外そうな……というよりは驚いた顔。
秋山 華
「ねーよ。なに?」おかしなことを言った自覚はない顔
甫嶺 史織
「……いやなんつーかほら」
「秋山って生産性のないことは嫌いじゃん?」
秋山 華
「だとしたらあんたとの絡み大体嫌いなのにいちいち付き合ってる変人じゃね私」
甫嶺 史織
「いやマジで寝ることすら飽きた程度に暇なのかなって思ってたわ」
秋山 華
「精神貧弱なバッファーのメンテくらいは寝るより優先してもいいよっていえば納得する?」
甫嶺 史織
「納得すると同時にお前やっぱ俺の事嫌いだろとは思う」
秋山 華
「冗談じゃん。好きだよシオリ」
甫嶺 史織
「気持ち悪ッ……」
秋山 華
「お前こういうストレートなのアレだよね」ケケケと笑って
甫嶺 史織
「うるせー」
「そもそも秋山なのが悪い。お前が人間に求愛してるのちょっと俺の理解の範疇を超える」
秋山 華
「私だって人間に求愛はするけど確かに甫嶺は無いよね。それは私が悪かったわ実際。あとでミーティングに乗せとく」
甫嶺 史織
「俺も秋山からの求愛行動により精神的被害を受けたって報告しとくわ」
「これはトラウマ負っても仕方ねえよ。暫くお仕事休ませてもらえるかもな。いやそうなるべきだ」
秋山 華
「馬鹿人に言うなよ。デカい石引っくり返したら出てくるやつにそんなことしたって人に知れたらUGN辞めるしかない」
甫嶺 史織
「これ以上お前が被害を出さないためには仕方がなかったんだ。とっとと辞めてくれ秋山」
秋山 華
「お前一人のために戦力ダウンはちょっと厳しいから、やっぱドキッ甫嶺だけの水泳大会しとこっか」
甫嶺 史織
「そのドキッは俺が心臓発作起こす音かなにか?」
秋山 華
「処理班に死体が一つ増えてるのバレちゃうかなドキドキ のドキ」
甫嶺 史織
「水泳大会で死人出すなっつーの」
「……そういやさー。ただの興味で一つだけ聞きたいことがあったりするわけなんですけど」紙箱から最後の1本の煙草を取り出しつつ。
秋山 華
「オーヴァード主催だからそういうこともあるよ。なに」
甫嶺 史織
「んー、いや」少しだけ躊躇うように口を噤んでから、結局また唇を開き。
「──お前はなんでUGN辞めねえの?」
秋山 華
「ここでやれることがあるから」
甫嶺 史織
「やれることって?」
秋山 華
「さっきもいったじゃん」「戦って護ること」
「戦うのはやめられないからやめない。それが誰かの願いとかそういうものを護ったり助けたりできるからUGNにいるし、辞めない」
甫嶺 史織
「……なるほどな。案外シンプル」
秋山 華
「複雑な事情があったほうが好みだった?」
甫嶺 史織
「ンー……どうかな」
「ま、聞いといてアレだけどどっちにしろ参考にはならないよな。俺とお前じゃ」
秋山 華
「むしろなんかの参考にする気だったの?」
甫嶺 史織
「あー、まあ……なるならイイナーとは思ってたけど。ちょっとは」
秋山 華
「ふーん」「じゃあ聞き返すけどあんたは?」
甫嶺 史織
「うん?」
秋山 華
「なんでUGN辞めないの」
甫嶺 史織
「その答えに、興味あんの?」へらりと笑いながら首を傾げ。
秋山 華
「んー無い」「嫌がらせ」
甫嶺 史織
「最悪だなお前」
秋山 華
「悩める不良少年バッファーのメンテ。ただ私は機械いじれないから叩いて直す派だけど」
甫嶺 史織
「メンテじゃなくてそれ介錯じゃねえ?」
秋山 華
「長く痛みで苦しむならトドメは刺してやるべきだよね」
甫嶺 史織
「ほんとお前物騒で嫌だわ」
秋山 華
「私に聞くってことは聞かれたいってことじゃないの」
甫嶺 史織
「秋山の癖に精神分析かよ。生意気」
秋山 華
「聞かれたくないなら聞かない。興味無いから」
甫嶺 史織
「ずるい言い方すんね」苦笑。
「俺はまあ……、単に恩返し半分、居場所欲しさ半分ってだけ」煙草の先に灯った赤く小さな火を見つめながら、ぼんやりとそう呟き。
秋山 華
「そんだけ?」
甫嶺 史織
「……多分、そうなんだと思う。自分でも色々考えた結果だけどさ」
「でもまあそろそろそういうのも卒業しなきゃなーとか思うわけ。モラトリアムもそろそろ終わるし?」
秋山 華
「“こうこうさんねんせい”だしな。キリではあるよね」
甫嶺 史織
「そーそー。……まあ大学生ごっことかにも興味はあったんだけどさー」
秋山 華
「あるならすればいいじゃん? 延長戦」
甫嶺 史織
「そーなんだけどさ。不誠実かなーとか思っちゃうわけよ、俺って賢くて真面目だから」
秋山 華
「あーまー私も清廉潔白なとこあるから意味わかるわ」「馬鹿だな」
甫嶺 史織
「うるせーな馬鹿」
秋山 華
「延長戦ね」「それがあんたに必要ならすればいいのに」
甫嶺 史織
「俺には必要かもしれないけど……まあ、周囲に迷惑かけてまですることじゃねーなと思うわけ」
「ヤダー俺ってほんと真面目で誠実~。なんで彼女できないのか謎~」
秋山 華
「他にその必要を満たす手段があんの」
甫嶺 史織
「さあ? アテはねーよ。宝探しってことで」
秋山 華
「あーそーゆーとこだね彼女いない理由」
甫嶺 史織
「はあ?」
秋山 華
「まぁ冒険家も悪くはないんだけど。無謀な馬鹿はちょっと堅実な日本人女性向きじゃないでしょ」
甫嶺 史織
「……ま、それはそうかもな」けらけらと笑って、最後の煙草を携帯灰皿に押し付け。
「そもそもそんな冒険に女の子を突き合わせるのも俺にはちょっと無理だし」
秋山 華
「あーそーゆーとこだね」「彼女出来ねーわこれは」
甫嶺 史織
「はァー? 俺これでもそこそこモテますけどー?」
秋山 華
「いい人止まり、もしくは3か月付き合って『ちょっと思ってたのと違う』って言われるパターン?」
甫嶺 史織
「……うるせー」
秋山 華
「3か月ごとに彼女変えるのもアリっちゃアリだよな」
甫嶺 史織
「願い下げだわそんなの。お前じゃねーんだぞ」
「……仕方ねーじゃん。一緒に地獄に堕ちてくれ、なんていえねーし」
「そこら辺の女子高生捕まえて、目の前で蘇生かましたらそれだけで化け物扱いだっつーの」
秋山 華
「はは。まぁそうなるよ、そりゃあそう」
甫嶺 史織
「だろ。だからー……まあ、どうしようもねえってこと」
秋山 華
「ほしいものほしいって言えばいいのに」
甫嶺 史織
「口にして自覚するともっと欲しくなるじゃん?」
「欲しがったところでもらえないものなのに、さ」
秋山 華
「黙ってたら飢え死にするんじゃないの」
甫嶺 史織
「それもいいんじゃねー? 一生渇いたまま生きるよりは」
秋山 華
「あんたが本当にそう思うならそれはそれで。潔いといえば潔い」
「なんにせよ貫けるものがあるなら楽ではあると思う」
甫嶺 史織
「お前ほんとなんつーか……いやまあ……」何とも言えない表情を浮かべたあと、耐えきれなくなった様子で笑いだして。
秋山 華
「なに」
甫嶺 史織
「はは、あーいやなんつーか秋山はどこまで行っても秋山でしかなくてほーんとおもしれーなって思った、だけ、あはは」
秋山 華
「……馬鹿にしてる?」解せぬ顔
甫嶺 史織
「いや? 俺はそれでいいと思うよ」
「お前は俺の強がりの理由も、痛みも、願いも、悲しみも、なーんにも理解できないだろうしするきもないだろうけど」
「それがお前だからそれでいいんじゃねーの」
「そういうところは嫌いじゃない。多分」
秋山 華
「それで悪いと思ったことないよ」「好かれたいと思ったことも無いけど」ふんと鼻を鳴らし
甫嶺 史織
「そうでもない気がするけどなー」
秋山 華
「あ? 自惚れるなよ」
甫嶺 史織
「少なくとも、傷つけたくないと思う程度には──好きなんじゃん? 俺のことが、っていうよりは、人間のことが?」
「そして好きなモノには好かれたいもんだろ。化け物だってさ」
秋山 華
「どーかな」「欲しいもんが欲しいって言えないのと、欲しいかどうかがそもそもわかんないのってどっちが馬鹿?」
甫嶺 史織
「どっちも救えない馬鹿ってことで証明終了」
「つーかマジで遅くねえ? 忘れられてんじゃねーだろうな俺達」
甫嶺 史織
さて
そろそろ〆るか…
秋山 華
「それな。ありえる。それかF市支部が爆発したかどっちか」
甫嶺 史織
「マジ? 寮まで爆発してたら泊まらせて秋山」
秋山 華
「さっきタバコ分けてくれなかったケチなワラビーに貸す敷地無いんだよ」
甫嶺 史織
「酷いわダーリン。あんなに激しい夜を過ごした仲じゃない私達」
秋山 華
「もうお前から泳ぎたいオーラしか感じないからとりあえず海に落として、それからU市に要請してみるわ」
甫嶺 史織
「死体が増えたらU市にも迷惑かかんだろ、やめとけやめとけ」軽口を叩きつつ端末をポケットから取り出して、気が進まなそうな顔で支部の番号を呼び出し。
呼び出し音をぼんやりと聞きながら、暗い夜の海に揺れる月を眺めて──溜息を一つ。
秋山 華
「…………」
口には出さない。見透かされたくないから。
「待機中も手当付けてほしいよな」
甫嶺 史織
「え、そっちはつかねーの?」
秋山 華
「は? つくの?」
甫嶺 史織
「額は低いけど一応……」
秋山 華
「なんか申請間違えてんのかな……」
甫嶺 史織
「だと思うけどな……あ、どうも。さっき要請した処理班がまだ到着してないんすけど──……」返事よりも先に通信が繋がれば、そちらと会話を始めて。
甫嶺 史織
というくらいでこちらは言いたい事おわり
秋山 華
「……?」
思い当たることに思考のリソースを切り替えては海の向こうに投げた想いに忘れたふりをし。
「……あ。アレだわ。修繕費……」
秋山 華
おわり
甫嶺 史織
おつ!
秋山 華
おつ!
甫嶺 史織
フフ
楽しゅうございました
秋山 華
サブチャをほぼほぼしてない
集中してしまったわね
甫嶺 史織
集中してた
秋山 華
とりあえずログたのーむ
甫嶺 史織
ではログは負かされ余
おつt-
秋山 華
あーいありがとー
 
!SYSTEM
秋山 華が退室しました

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ダブルクロス The 3rd Edition
とある月夜の世迷い事

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